由良町で最初に風力被害を言い出したのは畑地区の被害者たちだった。役場から二重サッシを付けてもらって、沈黙の契約をする。絶対に何も言わないから律儀といえば堅物なんだろ。私も何度かその人に確認した。なんと「土砂崩れが心配」というではないか。門前地区の区長も同じ言葉を発していた。残された協定書には「低周波により苦痛を与えないこと」と書いてあるのに、エライ裏切りだ。
ヘンな人になって死んでいたから、ざまぁ、と思ったかな。人に迷惑かけやがって。役場では区長のくせに私を取り囲んで弾圧した。腹の立つことよ。だから近所だけど、奴の葬式は行かない、無視した。先祖からの長い付き合いがあったけど、風力を推進する議員にベッタリのまがい物だったのだ。私をさんざんアホにしてやじった。それが彼の正体だった。その近所にもまた今の区長がいる。
ボロボロやな。人々は大喜びよ。わが家の歴史上、こんな災難もない。いや、落ち武者の家系だから、生き残りをかけてここまで来たと聞いている。人種が違う。隔絶感だね。由良町には100人ほどの風力被害者がいる。自覚症状もなく、被害を否定して死んでいく奴もいるからね、アホにつける薬はない。世界的に、風力被害に抗議するデモが行われている。被害者を弾圧して殺して喜んでいるのは日本人だけだ。特に由良町の低周波被害はすごかった。
役場では議員は手を叩いて踊っていた。それほど嬉しかったのだ。人々の悪意が噴出する。ターゲットにされたら大変だよ。何人もの泣き叫ぶ被害者を見た。そして死んでいく。笑いものだ。社会の価値観がな、まるで崩壊していた。「アホよら」と人々は挨拶代わりに口ずさむ。私も合わせて笑ってやる。地獄に落ちろ。はよ死ねよ。魑魅魍魎となった人たちを見るのだ。なんと海外の様子とは違うことだよ。




