町民は皆大喜びしている。社会の変革が面白いんだろうか、ナニカの被害者がいて苦しんでいることは当初から知られていた。死んだという。鬱病みたいに閉じ籠っているとか、狂っているとか、ヘンになった人のことも伝わっている。精神被害だ。どんなになるんよ？ と町民はじっと見つめている。h23年11月末に第一報が私に伝えられる。以前、JR由良駅前で居酒屋を経営していた谷口愛子さんからだった。
悲鳴のような声で被害症状を言っていた。じつは、この時には私の住む門前地区でも噂話は伝わっていた。私には被害症状はなかったから、何のことか分からない。その人には何かの異変が分かったんだろう。もしかしたら被害感覚とか、誰かに頼まれたとか。その上での谷口さんの依頼だった。だから最初の議会での一般質問は、ほとんどすべてが谷口さんの言葉で出来ている。
h23年12月の段階で、岡田さんという音響学者や、東伊豆町関係の環境運動家、共産党などが出入りしていた。随分と派手な活動よ、と思ったさ。私は田舎者丸出しで、それらの人たちからバカにされていたと思う。すぐに彼らからは拒否されていた。やがて結成される「考える会」からもな。ワケの分からん奴、そう言われたもんよ。『雨司山』という機関新聞を発行したというけど、私は一切目にすることがない。
それは後日、日高町での風力反対運動でも、機関紙は機密になっていた。どちらも見る機会がなかった。秘密結社よ。日高町の場合は原発の歴史があるから厳しいシガラミに手が出なかった。祖母や曾祖母は日高町の出自だけど、私には信用がなかったようだ。それよりも由良町では、もっと信用のないことが明らかにされる。人望のなさに、私自身が傷ついて鳴いていた。
汚い言葉で罵られる。もともとがボンで我儘だからね、アカンわな。これまでも人に迷惑かけてきたから、その報いだと思っている。先祖が偉過ぎたのだ。その思い上がりが今日の一人暮らしになっている。案外落ち着いて百姓して暮らしているけどね。これで低周波被害がなかったらと思うよ。それと谷口さんら被害者に対する弾圧と、私の人物破壊のお楽しみだ。人々は何を喜んでいるんだろう。
その社会分析に、人の「おぞましさ」を見てきた。人の悪口、不幸が面白い。勝つ方に付く。正義も悪もない。インプットされた言葉の数々が襲い掛かるのだった。こんな人やったんや。親父や祖父に聞いていたけれど、実際に体験してみるとな、世間なんてアホらし、としか言いようはなかったよ。なんと薄っぺらい人かと、オウムかい、ロボットかい、とその人を見る。
風力発電が出来たら町はどうなるのか、h18年の東伊豆町で見た風力事件から、各地で議論してきたことでしょう。自称・被害者とは何なのか。ピエロよ。猿回しのサル。今はその代表に私が見られている。低周波被害者の会の汐見文隆、窪田泰らに教えられてきたから、少しはマシな言葉で反論・抗議しているつもりだ。振り返ると、後ろには誰もない。私が最後の風力反対だった。土砂崩れじゃないからね。
由良町周辺の町の、自称・風力反対とは意味も中身も違う。隣町だからあちこち聞いて見たけど、無茶苦茶やで。親類や従兄弟たちにも話してみた。なぜか話が通じない。中には社会的に偉くなった人もいたけど、せせら笑いに逃げ飛んできた。血縁がなくてよかったよ。こんなにしてその地の被害者たちは殺されていくんやな。恐ろしい殺人者を見てきた。由良町で、そんな場面を見て来たんでしょ。
みんな大喜びして手を叩いて笑っていたよな。そんなに生贄の末路が楽しかったんやで。みーんな事情を知っている。それを決められた言葉だけで話し合って楽しく暮らしているのだ。今生きている被害者たちはもう人ではない。「看守と囚人」実験に見られる人間破壊だ。人間社会なんて、こんなものでしかないんだよ。死んだ奴はご愁傷さま。アホよら、もなく、それで終わりか。
仕組まれた罠に気付くものもいるだろう。ｈ24年に我家に来たジャーナリストたちは、各地の風力被害を視察しながら結果論をまとめていた。田舎社会とは言いながら、誰も抵抗することが出来ない。水俣や福島の地域対策を見る。風力被害地になったらもう地獄やで。自己崩壊が、社会の破壊が、そんなに嬉しいか。ボタン一つで風力は止まる。被害が面白い。
初めから分かっていてやっていることが知れ渡っている。それでも土砂崩れと言い続ける地域対策の恐怖を見ている。日本では誰も抵抗できんのかい。私一人かい。時代が追い付かない。
