風力の低周波音が苦しい。

由良町への帰り道、御坊市からでも、広川町からでもよい、由良谷に入るとな、一斉に回っている風車群が目に入る。またあの麓にある自宅に帰るのか、と悲しみに泣いたという。嫌ならどこかへ引っ越したらいいだろう。みんなから嫌われて、嫌がられているんだから、ちょうどいい機会だと思わないか。子供の住む東京とか、近くでは親類もいるんでしょ。あるいは薬を飲んで楽になったらどうよ、と勧められる。

クスリ漬けになって苦しむか。外因性の疾患なんやで。それを分かっていて虐待の言葉を次々と投げかける。個人的に、何重にも取り囲んで人間破壊さ。隣近所には同じ低周波被害に苦しむ人がいるのに、どちらに付くか、判断は明らかになっていた。音環境の酷さよ。低周波音の測定器で測って見せても、受け付けないのだ。私は激しい言葉で叫び倒されたよ。真っ赤な顔になって唾吐きかけながら、怒りを露わにする。

「出て行けっ」とな。その狂いように、これはすごいな~、と感動したもんさ。まさにDアイカー『死に山』に書かれている精神錯乱だ。狂気の沙汰を見た。ふと、彼の言葉の端々に、入れ知恵された「言葉」が挟まれていた。そんな測定器を持ち込んで金を巻き上げようとするのや。ワシらを利用して騙すんや。ワシらは何でも知っている。オマエは詐欺師や。あれから13年も経つのに、彼らの言葉の数々が鮮やかに思い出される。

スパイ工作員の活躍だ。初めからセットされた地域対策に、素人の私が立ち向かえるはずもない。いや、低周波被害者の会の汐見先生や窪田泰はこんな場面を繰り返していた。二人で東伊豆町や伊方町に視察旅行に行って、被害者宅で泊まり込みの測定を行った。測定結果と被害者の症状を記録して冊子にして配布する。少しずつ溜まる記録をまとめては本にして出版した。

晩年の汐見先生と話して、「クボタは、クボタは・」と懐かしく被害地への旅行を語っていた。風力の現地対策で、情報操作・思想管理が行われる中で、汐見・窪田の功績は大きいと思っている。誰も応える者はいなかったけどな。窪田さんは二度、我が家に来て酒飲みながら話し合った。ジャーナリストの山本さんも二度来てくれた。どちらも話が上手で、私など敵わないと感心したものよ。

全国の風力被害地をめぐって、考える会などの環境運動家について実態を話してくれた。各地では、風力被害の情報が圧倒的に不足していることもな。そんなこと言っても、誰も受け付けないんだからね、無理やで・と繰り返したものだ。彼らだってあちこちから追放されている。ケンカばかりしていると言ってよい。汐見先生なんか、こぶしを振り上げて怒っていたからね。

結局、日本では低周波音の被害、風車病を言葉にして反対・抗議する人は続かなかった。「言えないんだ」という。水俣でも聞いた言葉だ。被害者差別だ。行政や政治の政策となっている。被害者潰し。由良町でも、東伊豆町でも、風力被害地に電話すると、どこも同じ答えが返って来るでしょ。AI自動音声になっている。それに対して海外では、どの国でも「Stop wind turbines !」(風力発電を止めろ)と抗議している。

日本だけ、この言葉がない。脳裏に無いのだ。タブーとされている。催眠術やね。心理トリックが効いている。土砂崩れが心配です。水源地がある。自然環境を守りましょう。いろんな言葉に置き換えられている。各地でやっているペテンのエセ反対の総覧だ。全国大会だとまでやっているから大変なエネルギーだよな。なんかヘンやな、と思った参加者もいる。前記の山本氏も参加しながらその言葉は伝えない。

賞味期限は過ぎたのかい。土砂災害じゃないだろうに。政治家のスピーチに、真っ黒けやなと思わないか。再エネ政策に移民問題、政治が泥沼になっているやないか。私のように被害を訴える者はおらんのか。じつに正義漢のないことに、風力被害は深刻化していく。私を笑いものにするがよい。被害者でさえ、被害を否定して喜んでいる。地獄の有様を伝えても喜ばれるだけよ。世の中には、まだまだ悪いことがあると云うか。

人の苦しみや不幸がそれほど嬉しいか。社会の凋落に、これほど人の精神が荒れすさぶとはな。被害者は泣き叫んでいたやないか。こんな小さな由良町の片隅で、谷口さんらは虐め殺された。殺人だ。それを手を叩いて笑って喜ぶんだから大したものよ。隣町の広川町でも下津町でもそうなっている。日高町でも悲惨なもんやで。社会が、精神的な支配に覆われているんやね。誰に聞いても「土砂崩れ」の言葉が出てくる。

摺り込まれた呪いの言葉のように。すでに意思とか思考なんてない。カラッポなロボットよ。あるいは家畜か。服従の心理を見ないか。何でも出来る社会が完成している。鴨葱やな。

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